ABCハウジング このまちのストーリー

神様のいる場所 Vol.1

まつりが“なくてはならない”ワケ

10月18日。最終日は、どの地区のだんじりも、地元周辺を曳行します。
昼頃訪れると、北加納青年団のみなさんが集会場前にだんじりを止め地べたに円陣を組んで昼食を食べるところでした。「お手て合わせて、いただきまーす」阪本さんの号令で、みんながお弁当を開きます。
まつりにお酒は欠かせません。一見すると無茶な飲み方をしているようにも見えますが未成年者がお酒に手を出さないよう、みんなが無茶をしないよう、阪本さんたちリーダーはしっかり目を光らせています。
阪本さんが「来年からは気楽にまつりを楽しむことができる」と言っていたのを思い出しました。みんなと同じようにまつりを楽しんでいるように見えてもリーダーとして事故がないよう、気を張っているで、気楽にはなれないのです。
この日も、お酒に飲まれて悪のりした若手を注意する阪本さんがいました。

今年最後の曳行に出発する青年団

田園風景の中を進む北加納のだんじり

広場で一暴れ

幹線道路に出ると、いたるところで他の地区のだんじりとすれ違います。あいさつをしたり、エールを送ったり、道をゆずったり。ゆっくりと進むこの地方のだんじり曳行には、のんびりとした田園風景がよく似合います。

並んで休憩するだんじり

幹線道路に出ると、たくさんの他地区のだんじりとすれ違う

すっかり陽が沈んだ頃北加納のだんじりが地元に戻ってきました。最後に兄弟地区の南加納の面々と一暴れ。
22時、多くの村の人達が見守る中、阪本さんがあいさつに立ちます。
“生まれは加納じゃないけれど、加納が大好きです”
まつりが終わりました。

仲間に胴上げされる阪本さん

北加納地区は、宮入りする19地区の中でもとくに小さな集落。まつりに参加するにも、だんじりを維持するにも各戸にかかる負担は小さくないはずです。それでも、まつりに参加し続ける理由を聞くとほとんどの人が「なくてはならないから」と答えます。
残すべき伝統への使命感もあるでしょう。楽しいからもあるでしょう。でも、一番「なくてはならない」のは、まつりが紡いでくれる人とのつながり、学び、助け合い、感謝し合える小さいけれど温かな社会ではないでしょうか。

北加納青年団とレディースのみなさん

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