ストレスなく気持ちの良い空間を維持することで芽生えたかおるさん流の家事の楽しみは、洗濯や炊事へも波及していきました。
「次に洗濯。大前提に、衣類についても持ちすぎないよう心掛けているので、あるのはお気に入りのお洋服ばかり。当然大切に手入れしたいと思うようになったことも喜びの1つだと思います。
それに加え洗濯の喜びは、キレイにスッキリと仕上がること。気持ちの良い空間づくりと同様に、どうすれば楽に気持ちよく仕上げられるかを考え、実践しました。
具体的には、スムーズに洗濯物が干せるよう、洗濯機に近い和室に面した裏庭に、和室の床と同じ高さのウッドデッキをつくりました。高さが同じだと出入りしやすいし、そこは日当りもよく、洗濯物を干すには最適な場所だったからです。また、取り込んだ後のことも考え、和室にはアイロンとアイロン台を設置し、取り入れた側から立ったままアイロンがかけられるようにしました。洗濯して干して、取り入れて、アイロンがけまでを、短い動線上に同じ高さで処理できるよう整理したのです。
ウッドデッキの設置は、我ながら良いアイデアだと思いました。このように自分のアイデアを実現し、目指すところへ行けた時の達成感は、誰に褒められなくても嬉しいものです。
最後に炊事ですが、正直、料理は得意とは言えません。それでも私が炊事を楽しいと思える1番の理由は、器が好きだから。おかげで器の数は他のモノに比べるとまだまだ多いのかもしれませんが、それでも随分厳選しましたから、残っているのは本当に好きな器ばかり。それらに合う料理を考えたり、作った料理をどの器でどうスタイリングするかを考えるのはとても楽しいことです。
さらに、キッチンこそ煩雑になりやすい中で、倍以上あったキッチンツールを厳選して本当に使えるものだけを残し、調理や後片付けがスムーズに運ぶための収納場所や収納方法、スッキリ見せるコツなどを自分で考えて現在に至りました。そういう小さな積み重ねが実っていくのも楽しいですし、もっと良くするためのアイデアを考えることも楽しみの1つです」。