その1 今日を、疑って、生きてみる。
「あなたの人生のピークっていつですか?」
そう聞かれて、即答できる人はいないだろう。
だって、もう来てるかもしれないし、まだ来ていないのかもしれないのだから。
多くの人が、おじいさんやおばあさんになってから、
「ああ、あの頃は・・」と思い出しながら、自分が一番幸せだったのは、
生きていると実感できたのは、いつだったのかを知るのではないだろうか。
約4年前、第一子である「つむぎ」が生まれた。
そして、去年、二人目の子どもの「なお」が生まれた。
子どもは3歳までに、一生分の恩返しをするとよく言われるが、 つむぎは、3月で4歳になるため、恩返しの期間が、もう目の前に迫っていることになる。
その3年間にもらった「思い出」という高価なものを胸にしまった後は、20年ローンのようなかたちで返済しつづけてゆくのである。
そう考えると。ある時、気づいたのです。
「もしかして、人生のピークは、今なのではないかと」
確かに、子どもはかわいいし、仕事は楽しいし、
もう他に何もいらないなあと思える今、幸せではある。
でも、それが人生のピークかと聞かれると、即答する自信がない。
だって、この先、もっと輝かしい未来があるかもしれない。
それはそうだ。今に満足してしまうとその未来がやってこなくなるかもしれないから。
でも、それでも。
「人生のピークは今日です」と、
自信を持って言える人生の方が幸せなのではないかと思っている。
いつかもっとハッピーな時がくるかもしれない。と、思って生きるよりも、
自分は今、一番幸せなのではないかと、毎日疑って生きる方が、
「今日」という目の前にある時間に目を向けられるから。
「もしかして、今日が人生で一番幸せな1日かも
しれないから、全力で楽しもう。大切にしよう」
そう思って生きることが、
なんとなく過ぎ去ってゆく時間の中に落ちている、
小さな幸せのかけらに、気づく方法なのではと思っている。
僕は、毎日、疑って生きている。
今日が、人生のピークなのではないか、と。