ABCハウジング オープンガーデンに行こう!

オープンガーデンは、その名のとおり、個人宅や施設・コミュニティエリアなどの庭を広く一般に公開する活動です。その目的はもちろん「丹精込めて育てた美しい庭を多くの人に見てもらいたい」という庭主さんの思いと「美しい庭や珍しい植物を見て感動したり学んだりしたい」という訪問者の願いをつなげる、ということにあるのですが、それ以外にもさまざまな目的や産物があるようです。

オープンガーデンの起源は1927年の英国、看護師協会の資金を調達するために一人の女性が考えたアイデアから始まりました。当時からガーデニングが盛んであったイギリスにはたくさんの素敵な庭がありました。そこで、それらの素敵なプライベートガーデンを1シリング(英国の補助通貨。1ポンド=20シリング。現在は廃止)で公開し、その収益を募金にするというチャリティを思いついたのだそうです。ガーデンオーナーたちにこのアイデアを伝え呼びかけたところ、609もの庭園が参加。80年経った今でも当時設立されたナショナルガーデンスキームという慈善団体によってその活動は続けられています。そんなオープンガーデンが日本にやってきたのは1990年前後のこと。2000年を迎える頃には各地にオープンガーデンを展開する団体が生まれました。しかし、その目的はイギリスとは少し違っていたようです。

日本全国のオープンガーデンを紹介している「2013〜2015年度版 オープンガーデン ガイドブック」1,200円(税込)。発行元の(株)マルモ出版では、掲載希望も受付けている。

宝塚のオープンガーデンをたずねて

宝塚市山本地区は園芸・植木の町。歴史は古く、平安期からだと言われています。その山本を拠点に宝塚では2001年から春のイベントとしてオープンガーデンを開催しています。その目的について、「宝塚オープンガーデンフェスタ」を主催している「あいあいパーク」の藤江さんにお話を伺いました。

宝塚市山本にある花と緑の情報発信ステーション「あいあいパーク」 兵庫県宝塚市山本東2-2-1
http://www.aiaipark.co.jp/

お話を伺ったオープンガーデン担当スタッフ「あいあいパーク」の藤江恭子さん

「もともとは、植木屋さんの奥さん達が山本の園芸・造園業をPRしようと始められたと聞いています。それに端を発して『ガーデンシティ宝塚』をテーマにまちづくりの一環として市をあげてのイベントになったのが2001年。できるだけ多くの市民に参加してもらおうと、4つの参加部門を設け、現在では100庭以上が参加してくださっています。やはり、参加される庭主さんたちにとっては、自分が一生懸命作った庭を見てもらえることは嬉しいですし、来訪者とのコミュニケーションも楽しいようです。訪問されるゲストからも、庭主さんとの庭や植物に関する情報交換は自分の庭づくりの参考になり、何よりも美しい庭を眺めるのは楽しいと大好評いただいています。

それまで挨拶程度だったご近所づきあいがオープンガーデン以降、草木の話をするようになり、お友達になられたケースもをよく耳にしますね。他にもオープンガーデンへの参加を目的に地域のみなさんで力を合わせて近所の公園をキレイにされる例もあり、それをきっかけに地域の活動が活発になって次々と楽しいイベントを実施されている例もあります。いずれにしても、人と人とのつながりを生み出し、まちづくりに一役かっていることは間違いないでしょう。今後は若い世代にも参加していただけるよう取り組んでいきたいと思っています」。

オープンガーデン参加者はイベント開催中に家を開けられずお互いの庭が見られないので、イベント終了後にあいあいパークが主催し、庭主さんの親睦も兼ねたオープンガーデンをめぐるバスツアーを開催するのだそうです。

「あいあいパーク」では庭木や草花の販売のほか各種カルチャー教室やさまざまなモデルガーデンも見ることができる

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