さて、家づくりとは、三代澤さんにとってどんなものだったのですか?
家づくりって、ほとんどの場合、ご夫婦で考えられると思うんですよね。そういう意味で、家づくりは夫婦のライフスタイルを考えるきっかけになると思うんですよ。
これから10年後、20年後、あるいは30年後、自分たち夫婦はどんな人生設計で、どんなライフスタイルを送りたいのかっていうことをしっかり考えたうえで家づくりすると、とても楽しいことが見つかるような気がします。そういうプロセスで、夫婦のこれからの方向性というのが出てくると思うんですよ。
結婚して15年も20年も経って来ますと、お互い別の方向を向いていたりする。そんな時期でもあるんでしょうけれども、家づくりを機会に同じ方向を向いて、ライフスタイルを確認し合う。そんなきっかけにもなると思うんです。
わが家は、まだ子どもはいますけれども、もうすぐ大人になって出て行くものだっていうことがコンセプトにあったので、「大人の家」っていうことをテーマにしてつくったんですよね。そういう明確なテーマがあると、デザインをお願いする設計士さんやデザイナーさんにも気持ちが伝えやすいし、彼らも発想がしやすいと思うんです。
趣味のある方だったら、もちろん夫婦で共通の趣味でも別々の趣味であっても、その趣味を生かしたライフスタイルを考える。
お互いの趣味を生かす家っていいじゃないですか。そういうライフスタイルっていうものをまず考えてから家づくりをすると、できた家に満足できるし、なにより家づくりすること自体が人生の中でとっても楽しい時間になるような気がするんですね。
家づくりのプロセスそのものを楽しもうということですね?
とにかく僕たちみたいに夫婦二人で色んな会場をまわってモデルホームを見て、思うところをたくさん話し合って、共同作業で家づくりをしていたら、結果もさることながら、そのプロセスが楽しみになりましたね。
せっかく高いお金を払って家をつくるのであれば、その価値をもっと大きくしないともったいない。家の価値って、できあがったものの売価だけじゃないと思うんですよね。家づくりのプロセスを楽しむという部分も含めてお金のうちって考えたら、たとえば3,000万円の家を建てたとしても、500万円分は楽しんだよな、とか思えたら、その家自体2,500万円で建てられた気になれるじゃないですか。
休みの日にどこへ行こうとか何しようとか、ここへ行って旅行してって、そういうことには結構お金がかかりますよね。それをもし、家づくりをレジャーとして楽しめたとしたらどうですか?なんか良いお金の価値、楽しむ価値っていうのを感じられるんじゃないかと思いますね。
そういう楽しみはほかでは味わえないということでしょうか?
だからそこまでのプロセスだと思うんですよ。たとえば建て売りの家の場合だと、夢はもう完成品としてそこにある。それは機能性であったり、場所であったり、新しい生活を始めるという夢は叶えられるけど、家ができあがっていくプロセスは楽しめませんよね。僕は1回目がそうだったので、場所は気に入りましたけれども、中古の物件を買っているのでその家に対するプロセスのドラマがないんですよ。あったとしても、どこの金融機関でローンを組んだとか、そういうことだけなんですね。でもそんなことには楽しみは感じ取れないわけです。
家にはもちろん建ってから、毎日生活しているうちにどんどんその家への思い入れっていうのはできるでしょうけれども、家づくりを始めてから住み始めるまでのところでも、思い出というのはいっぱいできるんですね。それが面白いんじゃないかなと思うんですよ。
新しい家に住む。そこへ行くまでの家づくりという楽しみ。これは、できる人にはぜひ体験していただきたい。夫婦で、家族で、みっちり関わっていくことをお勧めしたいですよね。
家づくりって、みんながみんな、できるわけじゃないと思いますからね。
Season2 シリーズは今回で終了。
次回からはSeason3として、また新たなテーマでお話をうかがいます。乞う、ご期待!
●生年月日:1960年4月14日 ●入社年:1984年 ●出身地:奈良県生駒郡
●好きな音楽:南こうせつさんは、中学時代からずっとファン。アナウンサーになったおかげで会うこともできた。
何度聴いても涙ぐんでしまう曲がたくさんある。コンサートではいつも一人で涙している(笑)
●担当番組:[テレビ]おはよう朝日です・土曜日です/ワイドABCDE〜す/一志相伝(ナレーション)〜放送中
[ラジオ]ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です〜放送中