伝統のこころとわざを再発見 第12回 大阪市内で建具を作り続ける種村建具木工所 No.2

前回は新しい取り組みをご紹介しましたが、今回は工場の様子や施工例を見せていただきましょう。

工場の中を見せていただきました

町の中にある工場なので広さに限りはありますが、外観からの印象よりはずっと広く感じられました。
建具の組み立て作業は手の感覚によるところが大きい。
建具の枠材を削り、厚みを揃えているところ。木目の方向や色合いを見定めています。

外部建具の施行例

檜材の玄関戸と欄間。上下揃えると格調高くなります。細い格子が美しい。
ガレージの3枚扉。太い組子と細い組子を交互に組んだ子持ち格子。
神戸北野異人館のレストラン。ガラスの格子窓は組子が細くておしゃれな印象です。

モダンに使われる障子や格子戸

障子を全部閉めると柔らかい光の帯が横一文字に。天井の光と響き合います。
背の低い障子の光が和室をモダンな空間に変えています。
お寺の玄関に使われた大型の格子戸。親子格子(子持ち格子)がリズミカルです。
繊細な細い格子戸がスペースを特別なものにしています。

本来の建具の技術が光ります

組子と枠が同じ太さなので3枚戸なのに1枚に見えます。
細い組子がまるでお月様のような美しい円を描いています。
これは珍しい細い縦格子の雪見障子。下半分が上にスライドして外の景色が見えます。
コンクリート打ち放しに杉の大型無垢板ドア。シンプルな形ほど技術が問われます。

歴史のある町で建具を作り続ける種村建具木工所さんはいかがでしたでしょうか。
新たな需要を開拓しようとトライしたところ、新商品以上に本業の建具の問い合わせや注文が大きく増加。
HPでの積極的なアピールが施主・設計者と作り手、お互いに探している人同士を結びつけました。

取材協力
(C) ABC HOUSING

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