伝統のこころとわざを再発見 第3回 伝統の鉄加工技術でモダンなアイアン家具 No.2

前回は製品ラインナップの一部をご紹介しましたが、今回は製造現場の様子を見せてもらうことにしましょう。

自動車部品工場からアイアン家具メーカーへ。

杉山製作所さんはかつては自動車部品製造の会社でしたが、リーマンショック後社内方針の方向転換を模索する時期がありました。(1973年頃の工場の写真)
店舗用什器にトライ、展示会に出して好評を得て以来アイアン家具のレパートリーを広げ、今では完全に家具什器メーカーに変身しました。

製品はすべて職人さんの手作業で作られます。

スツールの脚を作っているところ。同じものを4~5台分ずつまとめて作っていくそうです。
溶接作業で火花が飛び散ります。
多品種が作られていますが、工場内はよく整頓された印象です。細かい作業に集中する職人さん。
取っ手の加工。手前は作業前、奥が出来上がり。
バーナーで熱し柔らかくして加工。取っ手の中央部にねじりの装飾が入っています。
熟練した技術と設備を生かし、鉄へのこだわりを持った製品作りが行われています。
建具などへの取り付け部分を加工。治具など使わずペンチだけで成形。

自動車部品製造時代から建物も機械もそのまま使い続けているそうです。

図面の棚。誰でも見やすいよう一か所にまとめています。
部品や工具の保管など、合理的な工程管理がなされています。
工場のすぐ近くにはショールームもあって、打ち合わせや商談などのスペースにもなっています。
ショールームでは今年の新商品Pearシリーズが展開されていました。

豊かな自然環境の中で、日々鉄と向き合う人たちの作り出すものはいかがでしたでしょうか。
刀鍛冶の直接の末裔でなくても、鉄を扱うDNAがここの人たちには流れているのかもしれません。

取材協力
(C) ABC HOUSING

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