マネーとコストの話
二世帯は高くつく?でも、家2軒を建てるよりは安いはず?
気になる建築時のコストのこと、資金のこと、税金のこと、
手続き費用のこと、維持費のこと…。
お金の面から見えてくる、二世帯住宅で押さえておきたいポイントをあげてみました。
建築コストについて
独立性とコストは比例する!
一般に、二世帯のプライバシーは共用部分を減らすことで守られます。
玄関、浴室、キッチン、ダイニングなど、設備や間取りが重複するほど、単世帯住宅よりコストアップは当然です。
でも、まったく別に2棟建てるよりは、基本的に割安と言えるでしょう。
資金計画は、しにくい話もこの際キッチリと!
家を建てる時には住宅の建設費に加えて土地の購入費が必要になる場合もあるでしょう。
二世帯の場合、これらをどう分担するか。
親の土地に建てる場合、相続時に有利なのは建築費を子世帯が負担するケース。
子世帯の方がローンを組みやすいこともあります。
そんな場合でも、実際の支払額を二世帯で分担したり、初期費用を親世帯が出資することもあるでしょう。
いずれにせよ、「誰がどうお金を出すか」は、相続税・贈与税の問題とも関連してきます。
計画スタート時に、将来も見据えてしっかり話し合っておかなければいけません。
建築後のコストも想定しておく!
建てるコストの次は暮らすコスト。
光熱費など日々の出費のことも考えておかなければいけません。
二世帯住宅でも電気やガスのメーターを世帯別に分ける考え方もあります。世帯ごとの光熱費負担が明確になると同時にメーター当たりの使用量が抑えられると基本料金も抑えられます。これは通信費などにも言えることです。
一方で家の保守・メンテナンス費や共有設備の維持費など、明確に分けられないコストもあります。
親子とは言え、お金の問題は後々トラブルになりかねないので、細かいことこそきっちりと、事前によく話し合っておきたいですね。
二世帯住宅マネーについて
名義と課税に関わる登記のしくみを理解しておく!
通常の一戸建て住宅と同様、二世帯住宅の場合も出資比率に応じた名義設定が基本です。
親世帯が所有する土地に新しく家を建てるなら、土地は親世帯の名義、建物は出資に応じて持ち分が決まるという訳です。
建物の登記方法には「単独登記・共有登記・区分登記」があり、プラン(建て方)によって異なります。
完全独立型の二世帯住宅なら親世帯・子世帯別々の単独登記が可能。完全独立でなくてもプラン次第で区分登記もできます。登記は固定資産税の課税や相続時にも関わってくるので、プランの違いがどう影響するか、注意が必要です。
気になる税のこともしっかりチェック!
- ◎贈与税
- 住宅資金として、直系尊属からは基礎控除110万円に加えて上限1,500万円までは無税。つまり1,610万円までは税金がかかりません。
さらに相続時精算課税制度を使えば、生前贈与として2,500万円を上限に、実際に相続が発生するまで猶予が受けられます。
親世帯の資産を子世帯の資金として活用でき、子世帯にとっては持ち分確保やローン借入れの圧縮につながります。 - ◎相続税
- 相続税は控除額が大きいため、これまでは一般の家庭で実際に税金を支払うケースは少なかったようです。
しかし平成27年1月施行の税制改正では、いわゆる相続税増税(従来の基礎控除額4割をカット)が予定されています。
今後、相続税が身近な問題になるケースも増えるでしょうから、二世帯住宅を考えるなら早めのスタートが望ましいと言えるでしょう。
また同じ税制改正では相続税の課税価格を特例として減額する小規模宅地について、外階段のプランや宅地面積の制限などが緩和されることが発表されています。相続税対策を踏まえたプランづくりというのも考えておきたいところです。