よく収納スペースが多い方がいいって言って、どんどん収納を作ろうとする方もいらっしゃいますが、モノをしまう場所は広過ぎてもダメなんですよ。それはどういうことかというと、収納スペースに余裕があるから、これを買ってもあれを買っても大丈夫っていうことになると思うんですね。自分にとっての適正量を超えて収納スペースを作ってしまうと、収納量に合わせてモノをどんどん増やすことになってしまうんです。たぶんそうなってしまったら、今度はどこに何が収納してあるか把握できなくなると思いますよ。収納してるのを忘れてしまうっていうことですよね。結局、過剰な収納は不要なスペースを作ってるっていうことになりますよね。開かずの間をはじめから作ってるようなものです。そのために生活スペースを削っているとしたら、これは本末転倒ですよね。
生活するのに必要なモノのアイテム数っていうことで言うと、その最たる例として、ホテルを考えてみてください。ホテルには自分のモノって一切ないじゃないですか。でもホテルは快適で過ごしやすい所って思いますよね。自分のモノがなくても、そこで素敵な時間が過ごせるということです。ホテルになくて最低限必要なモノ、自分のモノは旅行鞄に入れて持って来ている分だけ。つまり自分に必要なモノ、最小限のモノだけで過ごす方法はみなさんよく知ってるっていうことですよ。
家全体の収納を考えるときは、収納量よりその目的、配置に重きを置くことをおすすめします。家事や生活の行動動線っていうのを考えてくださいということです。
たとえばキッチンで使うべきモノがいろんな所に置いてあるというのではいけません。僕もいろんな家を見せてもらいますが、ストックの食品とか、どこに置いてるんですか?ってびっくりすることがありますからね。やっぱりキッチンでの動きを考えて、行動動線上に必要なモノが収納されているっていうのがいいんです。
調味料は手を伸ばした所にあるのがいいだろうし、ストックものなんかはその奥にあればいいと、そういうふうに配置を
考えて収納を計画したいですね。無駄な動きがなくなるようにすれば作業効率も上がりますから。
僕らが収納スペースを作るときに注意してくださいって言うのは、腰の高さで余計なスペースを作らないようにするということ。たとえば玄関を入って下駄箱の上とか、すごく物を置きやすい高さなんです。置きやすい所っていうのは注意しなくてはいけなくて、実は散らかりやすい場所でもあるんですね。そういう行動
パターンが重なると、モノが山積みになりやすいっていうことなんです。だからなるべく腰の高さに物が置きやすい所っていうのは作らないか、あったとしても観葉植物を置いたり何か飾る物を置いたり、そこには物を置けないようにするっていうことも大事です。