伝統のこころとわざを再発見 第13回 日本のインテリアファブリックメーカーの草分け株式会社川島織物セルコンを訪ねて No.2

前回は伝統を引き継ぐ特徴的な製品を紹介しましたが、今回は工場内の様子や織物文化館のいろいろな展示物も見せていただきましょう。

工場の中を見せていただきました

カーテン地に使われる糸は対候性の高いポリエステルが中心。
原料メーカーより納入の糸を、均一に染まるよう巻き直します。
様々な糸を撚り合わせた装飾的な飾糸を使うこともあります。
巻き直された糸は専用の装置にセット。
装置ごと釜に入れられて染められます。
これは経糸(たていと)整経。生地の幅に経糸を揃えます。このあと織機にセットされ織の工程へ。
多色で複雑な模様を織るジャカード織。緯糸(よこいと)が打ち込まれています。(モリスシリーズ)

市原工場では緞帳などの大型の織物も製作しています

国立劇場や歌舞伎座、フェスティバルホールなど全国の劇場やホールの舞台に用いられています。
つづれ織りの技法で手作業により製作されます。一番奥まで幅全てを使うこともあるそうです。
帯の製作も行われており、1日2cmしか進まないような精緻な模様も織られています。

織物文化館の展示

館内には、同社が手掛けてきたプロジェクトの紹介や貴重な資料の展示があり、予約すれば誰でも見学することができます。
創業間もなくからインテリアファブリックを手掛け、明治22年に織物文化館の前身である「織物参考館」を建設し、室内装飾ファブリックを提案してきました。
窓掛け(カーテン)の様子を展示。西洋のものを日本に合うように作っていった様子がうかがえます。
明治43年に日英博覧会に出展した時の様子です。
創業以来蒐集された世界各国の染織品コレクションが多数あり、順次展示しています。
織物文化の紹介を通じ、織物技術の継承と発展に寄与したいとのことです。

機械による製造、広い場所での緞帳製作、木製の織機による帯の製作など、工場全体が織の展示館のようです。薄手で軽い感じのファブリックが多いなか、濃密な織の世界を間近に見て改めてその広さと深さを実感しました。

取材協力
(C) ABC HOUSING

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