伝統のこころとわざを再発見 第4回 信楽の里から新しい風を No.2

前回は「光る洗面器」をご紹介しましたが、今回は工房の様子を見せていただくことにしましょう。

工房は母屋の裏手にあります。

工房では修行中の職人さんが黙々と作業をしておられました。何年か修行の後独立して窯を持つのが通例だそうです。
工房の隣に窯が据えられていました。燃料は液化天然ガス。
扉を開けてもらいました。耐火煉瓦に囲まれた中の広さは1立方メートルほどだそうです。
これは材料を混ぜる器械。白い筒状の陶器の入れ物の中に材料と陶器の球を入れ回転させて撹拌させます。
材料の土。いろいろな土の種類や配合によって窯元の個性が出ます。
長石の粉。同じ種類でも産地によって質はかなり違うそうです。
これは電気の窯。小さいものを焼いたり乾燥などに使うそうです。

光る洗面器はこうして作られます。

土はまるで釉薬のようにとろとろの液状です。
2年半の試行錯誤を経て完成した焼くと光を通す陶土。特許は滋賀県知事が保有し、信楽の窯元は誰でもこの土で焼き物を作ることができます。
洗面器の成形は「鋳込み」と呼ばれる型に流し込む方法。

光る洗面器の他に照明器具のセードやアロマスタンドなどの製品もあります。

折り紙のようなデザインが個性的なペンダントのセード。
胴体の部分にろうそくを置き、上のカップに水を入れてアロマオイルをたらします。
アロマスタンドなどの小型のものはろくろで成形します。

昨年、東京ビッグサイトで開かれたライティングフェアの会場で初めて艸方窯のブースを見た時は、これまでの信楽のイメージを一新したと感じましたが、皆さんの感想はいかがでしたでしょうか。

取材協力
(C) ABC HOUSING

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